阿蘇地域 熊本地震からの復興ストーリー

震災から 5 年、阿蘇の現在

2016 年 4 月

熊本地方では、14 日夜にマグニチュード 6.5 の地震が発生、16 日未明には更に規模の大きなマグニチュード 7.3 の地震が発生しました。内陸の地震においてマグニチュード 6.5 以上の地震の後、同じ地域でより大きな地震が発生した事例は気象庁の観測史上初めてでした。

雄大な自然を満喫できる観光地として人気の阿蘇地域ですが、震源の益城町からほど近い西原村で震度 7 、南阿蘇村で震度 6 強、阿蘇市では震度 6 弱を観測。

度重なる余震、土砂災害と建物倒壊。地震による被害は甚大でした。

熊本地震から 5 年、震災から現在まで阿蘇地域 復興の歩みを見てみましょう。


阿蘇ってどんな地域?

阿蘇地域は熊本県の東部、大分県・宮崎県との県境近くに位置する地域です。小国町、南小国町、産山村、阿蘇市、高森町、南阿蘇村、西原村という 7 つの市町村によって構成されています。

県内でも特に観光客に人気のエリアである阿蘇地域。

熊本県には県内外から年間 6,000 万人ほどの観光客が訪れます。そのうち 1,500 万人以上の観光客が阿蘇地域へ訪れています。右の図は、平成 27 年 熊本県観光統計表を基に、2015 年の地域別観光客数を表したものです。

熊本地震が発生した 2016 年、阿蘇地域への観光客数は前年より 37.7 %減少しました。宿泊施設・観光施設と鉄道・道路が甚大な被害を受けたことで、団体客・修学旅行のキャンセルが相次いだためです。さらに、6 月の大雨や 10 月の中岳第一火口の噴火の影響もあり、宿泊客数、日帰り客数、観光客総数ともに大幅な減少となりました。

阿蘇のシンボル「阿蘇山」

南北 25 km、東西 18 km、周囲 128 ㎞という世界最大級の大きさを誇るカルデラを有する阿蘇山。高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳、根子岳の阿蘇五岳を中心に、外輪山も含めて阿蘇山と呼ばれています。そのカルデラ内では、約 5 万人の人々が火山と共に生活しています。

右の地図は、阿蘇地域の人口密度を表しています。カルデラ内では、温泉で有名な内牧や黒川といった地区とその周辺、さらに鉄道と国道が通る比較的標高の低い地区に人口が集中しているようです。

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では、具体的にどのような被害を受けたのでしょうか。

阿蘇くまもと空港から車で30分ほどの場所にある「阿蘇の玄関口」立野地区。ここは、熊本市と阿蘇市・大分方面を結ぶ国道 57 号線、熊本市と南阿蘇・宮崎方面を結ぶ阿蘇大橋、熊本と大分を結ぶ JR 豊肥 (ほうひ) 本線が集まる九州横断の交通の要衝でした。

しかし、阿蘇大橋の背後に控える山腹が横幅約 200 mにわたって崩壊、土砂が約 700 m流下しました。「数鹿流 (すがる) 崩れ」と命名されたこの大規模崩落により、国道 57 号線と JR 豊肥本線は崩落土砂に飲み込まれ阿蘇大橋も崩落しました。

交通アクセスの寸断(2020年4月時点)

数鹿流崩れ

土砂災害による交通網の寸断だけではなく、地震動そのものによる被害も甚大なものでした。

下の表は熊本地震における阿蘇地域の人的被害及び建物被害の状況を示したものです。阿蘇地域だけでも死者は 55 人、住宅の全壊被害は 1,331 棟に上りました。


空から阿蘇を見てみたら・・・?

熊本地震 土砂崩壊地分布

上のマップは、地理院地図で公開されている熊本地震の「 土砂崩壊地分布図 」を基に、土砂崩壊箇所をヒート マップで表現したものです。土砂崩壊地が密集している場所が、黄色く表示されます。なお、ピンクの枠は 2016 年 4 月の判読範囲を、黄緑の枠は 2016 年 7 月の判読範囲を示してます。

このマップから阿蘇地域、とりわけ阿蘇市、南阿蘇村の西部に土砂崩れの発生箇所が集中していることが読み取れます。

では、同じ場所で撮られた空中写真を地震の前後で比較してみましょう。

次の画像は 「数鹿流崩れ」が発生した立野地区とその周辺の空中写真です。先ほど見たヒート マップでも、土砂崩れの発生箇所が集中していた地域です。

左: 2013年8月  右: 2016年4月  ( 国土地理院 空中写真をもとに ESRIジャパン株式会社が加工 )

スライダーを左右にスワイプしてみてください。画像左側、山地の斜面に土砂崩れが何か所も発生していることがはっきり見えるのではないでしょうか。


交通網の復旧の過程を見てみましょう

熊本地震では多くのインフラが被災しました。中でも大規模な斜面崩壊に見舞われた阿蘇大橋地区では、新たに国直轄の砂防事業による斜面対策の実施が決定され、「阿蘇大橋」も国の直轄代行によって整備されることになりました。また、被災地方公共団体が管理する橋やトンネル、道路などは国が自治体からの要請を受け、大規模災害復興法に基づく国の代行事業として災害復旧が行われました。こうして、国の技術力の総力を結集して早期の復旧・供用が目指されました。

マップの凡例

1

南阿蘇鉄道

部分開通:2016 年 7 月 31 日

高森駅~中松駅間で 108 日ぶりに運転再開されました。

南阿蘇鉄道では、特に立野〜長陽間で 2 つのトンネルで内壁の崩落や亀裂が見つかり、鉄橋の橋桁も損傷、線路は 250 mにわたって流出しました。被害額はおよそ数十億円、鉄橋の架け替えが必要になるとさらに復旧費用が膨らむとも考えられています。

阿蘇五岳と南阿蘇外輪山の雄大な景色をのんびり旅する名物「トロッコ列車」も現在、高森駅~中松駅間で運行されています。天気の良い日では、開放感たっぷりの車内で、雄大な阿蘇の山々を眺めながら、水源などをゆっくり走り、沿線のガイドを行いながら走る人気の列車です。

なお、南阿蘇鉄道は 2023 年の全線開通を目指しています。

2

俵山トンネルルート

全線開通: 2016 年 12 月 24 日

俵山トンネルルート (県道熊本高森線) は、阿蘇くまもと空港から西原村・俵山トンネルを通って南阿蘇につながるルートです。熊本地震の震源の一つ、布田川断層帯のすぐ近くを平行して通っているため、特に大きな被害が出ました。熊本県阿蘇郡西原村小森~南阿蘇村河陰間の約 10 kmが通行不能となっていました。

地震による土砂災害で、南阿蘇は生命線だった交通インフラのほとんど失った状態でした。そのため、年内の全面通行止めの解除は、長い迂回路を行き来していた通勤者や学生が待ちわびていたものでした。俵山トンネルルートの開通は、経済損失の減少と流通ロス・観光収入の改善への第一歩となりました。

3

阿蘇長陽大橋

全線開通: 2017 年 8 月 27 日

阿蘇長陽大橋は、地震で橋脚の損傷や道路部分の落下などの被害を受けました。この 2017 年の開通は、阿蘇大橋が完成するまでの間の代替ルートとして、阿蘇観光の玄関口としての経路の確保と、南阿蘇村の中心部と立野地区を結ぶ南北方向の通行を確保を目的としたものでした。

よって、応急復旧工事として緊急的に復旧したものであり、阿蘇長陽大橋と同様に橋桁と橋脚が流失した戸下大橋の一部を仮橋として利用していました。2021 年 3 月に国道 325 号の新阿蘇大橋が開通したことから、阿蘇長陽大橋は再び復旧工事に入ります。

4

JR豊肥本線

全線運行再開: 2020 年 8 月 8 日

熊本駅と大分駅を結ぶ JR 豊肥本線。

熊本地震とその 2 か月後の豪雨による斜面崩壊で、線路が流出したり、埋まったりする被害が発生しました。豊肥本線は 51 箇所にも及ぶ線路の寸断により、肥後大津駅~阿蘇駅間の 27.3 kmが不通となっていました。全線開通となった 2020 年 8 月 8 日は、JR 熊本駅で全線開通記念セレモニーが行われました。観光特急「あそぼーい!」の出発式では、熊本県のキャラクター「くまモン」や各駅の地元住民から歓迎を受けました。

5

国道57号線北側復旧ルート・現道ルート

全線開通: 2020 年 10 月 3 日

北側復旧ルートは、熊本地震からの復旧・復興を機に、新たにできたルートです。これまで迂回路として利用されていたミルクロード周辺を、全長約 13 kmの「二重峠 (ふたえのとうげ) トンネル」を新設することで、一直線に駆け抜けられるようになりました。トンネル前後も高規格道路ができて自動車専用道路となります。驚くべきことに、その所用時間は約 10 分!ミルクロード迂回時よりも約 33 分の大幅な時間短縮が実現しました。

また、国道 57 号線現道ルートも同日開通しました。これは、熊本地震の大規模斜面崩落「数鹿流崩れ」により寸断されていた、JR 豊肥本線と並走する元々の国道 57 号線の立野区間です。南北の外輪山の切れ目、立野峡谷を抜けていくこの道は、地元では「立野キャニオンロード」と呼ばれ親しまれていました。

6

新阿蘇大橋

開通:2021 年 3 月 7 日

国道 57 号線沿いの南阿蘇村立野と、同村河陽をつなぐ全長 525 m、最大橋脚高 97 mの新阿蘇大橋。

2016 年の熊本地震で崩落した阿蘇大橋に代わり、元の場所から 600 m下流に架橋されました。複数の橋脚と上部の橋桁を一体化させた「PCラーメン橋」で、地震などの揺れに強いのが特徴です。歩道も設置されているため、歩いて渡ることもできます。

また、橋のたもとには新阿蘇大橋展望所「ヨ・ミュール」もオープンしました。展望スペースからは長陽大橋や白川第一橋梁 (南阿蘇鉄道) などを眼下に望むことができます。きっと「よ~見ゆる!」なんて叫びたくなるかもしれませんね。

♦ ♦ ♦ 復旧工事の工夫と技術 ♦ ♦ ♦

阿蘇大橋の再建にあたっては「早期復旧」「地震に強い」等を実現するために検討が重ねられました。新阿蘇大橋の建設に取り入れられた技術と工夫について見てみましょう。

①巨大インクラインの整備 

一級河川黒川をまたぐ新阿蘇大橋。急峻な地形では強風が吹き渡ります。そこで、最大積載量 60 トンの巨大インクラインの設置が整備されました。インクラインとは、斜面に敷いたレールの上を動く台車で物を運ぶ装置です。これで、急斜面でも大量の資機材を運搬することが可能となり、厳しい条件下での安全かつ効率的な資機材運搬が実現しました。

②ACSセルフクライミングシステム工法 

橋脚の施工には、作業足場と型枠を一体化させたユニットを油圧駆動装置で上昇させるACSセルフクライミングシステム工法が採用されました。従来は盛り替え作業ごとに型枠をクレーンで地上に降ろす必要がありましたが、この工法では揚重作業が削減できます。

③ 超大型移動作業車による片持ち張出架設 

橋桁の片持ち張出架設には、通常の約 3 倍の容量を有する超大型の移動作業車が導入されました。これにより、順次張り出していく橋桁ブロックを大型化し、ブロック数の削減が可能となり、施工日数の大幅な短縮を実現しました。

建設中の新阿蘇大橋

また、新阿蘇大橋の建設では、一日も早い完成を目指し昼夜施工が実施されました。稼働日はなんと、365 日中 351 日

以上のように徹底した合理化施工と多彩な技術・工夫によって、新阿蘇大橋の建設は当初想定されていた工期よりも 1 年 4 カ月短縮されました。


さあ、いつか熊本を訪れるときのために阿蘇の名所も押さえておきましょう

マップのピン、またはサムネイルをクリックすると詳細をご覧いただけます。

阿蘇神社・水基めぐり

大観峰

俵山展望所

阿蘇火山博物館

鍋ヶ滝公園

阿蘇ファームランド

らくのうマザーズ阿蘇ミルク牧場

阿蘇カドリー・ドミニオン

白川水源

黒川温泉

高森湧水 トンネル公園

阿蘇神社・水基めぐり

阿蘇神社は肥後国の一宮(地域の中で最も社格の高い神社)ともいわれ、全国に 500 以上ある阿蘇神社の総本社です。2300 年の歴史があるといわれ、12 柱の神様を祀っています。

神殿や楼門など 6 棟が国の重要文化財に指定されており、九州最大規模を誇る楼門は日本三大楼門の 1 つであります。しかし、2016 年の熊本地震により倒壊したため、現在も復旧工事が進められています。

阿蘇神社横に連なる一の宮門前商店街には、水基と呼ばれる湧き水があり、水は美味芳醇な神様の泉として珍重され、不老長寿の水として崇められています。一の宮の人々は常日頃からこの神の水を生活飲料水として利用してきました。この美しい水をもっと多くの人に飲んでもらいたいという思いから、木や石造りの水基が店の前に設置され、道往く人々にふるまわれています。水基をめぐり、地域を散策するのもいいですね。

大観峰

大観峰は、阿蘇カルデラを代表する第一級のジオサイトです。大観峰から南 (カルデラ内) を望む景観は、カルデラ内に中央火口丘群が東西に、左右に標高差 300~500 mの雄大なカルデラ壁が連なります。また、眼下には阿蘇谷の田園風景が広がります。大観峰から見わたす 360 度の景観からは、活動中の火山を有する阿蘇カルデラと人々の見事な共生の姿を捉えることができるのです。

俵山展望所

カルデラ全体を観察できる代表的なジオサイトとして、大観峰と並んであげられるのが俵山展望所です。俵山展望所は、カルデラ西方のカルデラ縁にあり、西側からのカルデラのほぼ全体を望むことができるジオサイトです。ここからは、阿蘇五岳はもちろん、外輪山北半部のなだらかな地形と違い、凹凸に富む南側のカルデラ縁の地形的な特徴を見ることができるのが特徴です。

阿蘇火山博物館

日本を代表する活火山、阿蘇山について学ぶことができる阿蘇火山博物館。阿蘇山は火山の状況や天候によっては火口見学ができないことがありますが、中岳火口壁に 2 台のカメラを設置されているため、館内の大型スクリーンで火口の状況を音とともにリアルタイムで観測できます。火山の成り立ちや世界の火山など、火山について楽しく学ぶことができる施設です。

阿蘇火山博物館は、2014 年に世界ジオパークに登録された阿蘇ジオパークの拠点施設でもあります。阿蘇ジオパークは、阿蘇火山の大地と人間生活をテーマに、阿蘇山一帯の阿蘇くじゅう国立公園で構成され、世界有数の阿蘇カルデラや中岳など 33 ヶ所のジオサイトを含んでいます。

鍋ヶ滝公園

滝を裏側から眺めることができるのが特徴で、別名「裏見の滝」と呼ばれています。

落差は約 10 mと規模は小さいですが、幅が約 20 mもあり、カーテンのように幅広く落ちる水が木漏れ日に照らされる様子はとても優美で神秘的。阿蘇のカルデラを作った約 9 万年前の巨大噴火でできたとされ、長い年月をかけて今の形になりました。

阿蘇ファームランド

阿蘇ファームランドは健康の専門家が監修している世界唯一のテーマパークと呼ばれています。

施設内は癒・泊・動・栽・食・買の6つのテーマに分けられ、さまざまな面から健康へアプローチできます。子供連れなら「ふれあい動物王国」「おもしろ釣りランド」がおすすめです。

また、温泉や低温サウナ、岩盤浴などで身も心もリフレッシュすることができます。宿泊施設「阿蘇ファームヴィレッジ」は、1 棟ずつ独立したドーム型の客室がおとぎの国のような雰囲気を演出してくれます。

らくのうマザーズ阿蘇ミルク牧場

酪農について学び、体験することのできる観光型施設です。33 万㎡の広大な敷地には、搾乳体験ができる牛舎 (牛さんの家) や、ヤギ・羊など小動物と触れ合える動物ふれあい広場、ウインナーやパン作りができる手作り体験工房、乳製品を使ったメニューが評判の自然食レストランなど人気の施設がそろっています。併設のミルク牧場では、オリジナル牛乳やチーズも販売。お土産にも喜ばれています。大人も子どもも1日中楽しめそうですね。

阿蘇カドリー・ドミニオン

阿蘇山の麓に広がる阿蘇カドリー・ドミニオンは、動物とのふれあいが楽しめる人気のテーマパークです。犬や猫はもちろん、ペンギンやカピバラまで、おやつをあげたり触れたりできる動物の種類が豊富で、なんと子熊を膝に乗せて記念撮影をしてもらえるイベントも開催されています。

また、動物ショーも人気の高いアトラクションの 1 つです。テレビにも出演しているチンパンジーのプリンちゃんをはじめ、たくさんのかわいらしい動物たちの演技は必見です。

白川水源

熊本県の中北部を流れる一級河川・白川の水のほとんどは、阿蘇カルデラに降った雨や湧水によるものです。その河水の美しさから環境省選定の「名水百選」にも選ばれています。そんな白川の水源の 1 つである白川水源は、毎分なんと 60 トンもの水が今もなお湧き続けており、観光名所としても人気です。

水源は白川吉見神社の境内にあります。「みつはのめ神」という水神様が祀られていることから、古くから水に対する信仰があったことがうかがえます。

水源の水は持ち帰り自由ですが、加熱処理済みの水も販売されているので、お土産に購入してみるのもいかがですか。

黒川温泉

黒川温泉は憧れの温泉地として全国でも人気の高い、山間の小さな温泉郷。

ここでは、29 軒の宿と里山の風景すべてが「一つの旅館」と考えてられており、それぞれの旅館は「離れ部屋」、旅館をつなぐ小径は「渡り廊下」…。温泉街全体でお客様をもてなす取り組みがされています。

各宿ごとに源泉があり、泉質がそれぞれ違うのも特徴。温泉ソムリエがその知識を活かし「肌に嬉しい湯巡り法」を伝えてくれます。また、1300 円で好きな温泉 3 ヵ所に入浴できる“温泉手形”も好評です。竹あかりが温泉地を照らす「湯あかり」 (12月下旬〜3月) や、飲み歩きができる「黒川かっぽ」など、イベントも満載です。

高森湧水 トンネル公園

旧国鉄が県境を越える鉄道を計画しトンネルを掘削していた際、途中で地下水源を切断してしまい、大量の出水に見舞われました。結局、湧水量の多さから鉄道建設は中止となり、その跡地にできたのが高森湧水トンネル公園です。

トンネルの長さは 2,055 mで、湧水量は毎分 32 トン。トンネル内では、掘り残された岩盤から滝のように流れる水源や、水玉が不思議な動きをする仕掛け噴水「ウォーターパール」を見ることができます。さらに、7 月には七夕まつり、11 月中旬~ 12 月には「クリスマスファンタジー」など季節のイベントも開催されます。トンネルのことを詳しく説明した資料館「湧水館」も併設されていますよ。

観光の楽しみと言えば、やっぱりグルメ。あか牛に乳製品、採れたてフルーツ、郷土料理も気になるところ。阿蘇にはお洒落なご飯処にカフェ、パンやスイーツのお店がたくさんあります。車やバイクでマイペースに阿蘇地域を巡ってみるのもオススメです。


さいごに

地震によって崩落した阿蘇大橋の橋桁については、今後「震災遺構」として橋のたもと周辺が見学スペースとして整備される予定です。また、熊本県では南阿蘇村や益城町などに点在する震災遺構 58 カ所を「回廊型フィールドミュージアム」と位置付けています。

「熊本地震 記憶の廻廊」は地震の経験や教訓を後世に伝承し、今後の大規模自然災害に向けた防災対応の強化を図ることや、熊本の自然特性を学び、畏れ、郷土を愛する心を育むことを目指しています。

旧東海大学阿蘇キャンパス と県防災センター (2022 年度オープン予定) を中核拠点として、県内各地に点在する震災遺構や拠点の整備が進 められています。


復興の歩みを進めている阿蘇地方。地震によって失われたものがある一方で、新しく生まれたもの、生まれ変わったものもたくさんあります。今は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか観光ができない状況ですが、ぜひ、現在の阿蘇の姿に触れてみてください。


このページは、 ArcGIS StoryMaps  を利用して作成しました。ArcGIS StoryMaps では、文章だけでなく、地図や画像を用いたストーリーテリングが可能な「ストーリー マップ」をオンラインで作成することができます。地理的情報を含むページ作成にぜひご利用ください。

マップの凡例

建設中の新阿蘇大橋

交通アクセスの寸断(2020年4月時点)

数鹿流崩れ