福岡市東区のデータから見える福岡の人口増加と住みやすさ

ESRIジャパン株式会社

はじめに

みなさん福岡市といえばどういった印象をお持ちでしょうか?福岡市は九州の北部、福岡県の西部に位置しています。その中でも東区は、福岡市の中で一番人口の多い区で住みやすい街と呼ばれています。このストーリー マップの前半では、福岡市東区の人口の分布や、年齢層などに着目し、データを用いてマップに可視化していきます。後半では、東区の魅力や住みやすさについて紹介していきます。

福岡市東区の歴史

福岡市東区の年表と航空写真

年代別に見る福岡市東区の人口

ArcGIS で作成したマップを用いたデータ分析

人口が増え続ける人気の秘訣

福岡の住みやすい環境

少子化における支援対策

福岡県や市の行っている支援制度

1. 福岡市東区の歴史

福岡市東区の年表 (1990 年~現在)

まずは、東区がどのような場所かを理解するために、福岡市東区の地図上の位置について紹介します。その後、年代ごとの出来事の紹介と合わせて、いくつかの地域の発展前の状況と発展後の様子を見ていきましょう。

2. 年代別に見る福岡市東区の人口

2.2 年齢割合で見える少子高齢化との関係性

こちらは総人口に対しての 65 歳以上の割合を 2000 年 (左図) と 2020 年 (右図) とで比較し、表したものです。色が濃いほど高齢者の割合が高い地域を表しています。

2000 年 (左) と 2020 年 (右) の 65 歳以上の割合比較図

 内閣府のデータ (令和 2 年)  によると、国の総人口に占める高齢者の割合 (高齢化率) は 28.8%となっています。東区も 2000 年から 2020 年にかけて、高齢化率は 12.7%から 22.2%20年間でほぼ 2 倍近くになっていますが、全国平均よりも 6%も低く、高齢化率を抑えることができています。

2.3 データからわかること

福岡市東区は、全体の人口は年々増加しています。年少人口は人数の増加を見ることは難しいですが、大きな人数の減少は見られません。香椎浜エリアからアイランドシティ福岡や千早へと年少人口の多い地域が変化しています。2020 年の高齢者の割合は 2000 年のほぼ 2 倍近くになっており、今後も続いていく課題でもあります。アイランドシティ福岡や千早などの新開拓地が若い世代を呼び寄せ、地域の活性化と同時にこの課題解決の糸口として機能し、今後もさらなる発展を遂げていくことが期待できます。

東区が市の中で一番人口の多い区である理由の 1つに住みやすい環境が整っていることが考えられます。

次の章では東区が住みやすい要因を見ていきましょう。

3. 人口が増え続ける人気の秘訣

3.4 遊びスポット

東区は大規模な商業施設が複数あるため、家族や友人と休日の外出を楽しむことができます。また、海、山といった自然に囲まれていることから仕事のリフレッシュをすることができます。生活していく環境としては最適な地域です。ここでは、いくつかのスポットをピックアップして紹介します。

4. 少子化における支援対策

2 章で説明したように福岡市東区では、年少人口が全国と比べて多いです。東区だけでなく福岡市全体としてみても、同じことが言えます。

福岡市の年少人口の割合は 13.9%と全国平均を上回っています。総人口に占める高齢者の割合 (高齢化率) も国が 28.8%対し、福岡市は 21.6%と抑えられています。

その背景には福岡県や市が行っている政策や支援制度が関係していることも考えられますので、最後にご紹介していきます。

4.1 福岡子育て支援対策、給付金

出産に関して、「福岡市出産・子育て応援給付金ポータルサイト」に情報が載っている給付金支援制度があります。妊娠届時に 5 万円の給付金支給があり、さらに出産後にお子さん 一 人当たり 5 万円の給付金の支給制度があります。

福岡市 出産・子育て応援給付金ポータルサイト :  https://fukuokacity-kosodateouen.jp/ 

4.2 子ども医療費助成制度

子ども医療証の交付申請を行う必要はありますが、福岡市内に住んでいる中学 3 年生までのお子さんが対象となり医療料金を市が支援してくれる制度となっています。さらに令和 6 年の 1 月からはこの対象が高校生まで拡大することが予定されており、今後の助成も約束された制度です。

4.3 幼児教育・保育の無償化

内閣府の「幼児教育・保育の無償化」政策に伴い福岡市内でも取り組まれています。この取り組みの大きな特徴は、保育が必要な住民税非課税世帯の 0 歳児クラスから 2 歳児クラスまでの子どもの利用料が無償化されることです。

幼稚園・認定こども園 (幼稚園部分)

幼稚園・認定こども園を利用する 3 歳から 5 歳のすべてのお子さんの利用料が無償化になるだけでなく、新制度の幼稚園であれば市の設定する利用料が 0 円になったりと育児、教育の面でも大きな恩恵を受けることができます。

東区は幼稚園の数も豊富で、19 か所の幼稚園が広く分布しています。こちらを年少人口の分布図と照らし合わせると、バランスよく展開されている様子が分かります。

東区幼稚園

保育所・認定こども園(保育園部分)

保育所に関しても幼稚園と変わらず大きな恩恵を受けることができます。さらに、保育園には認可保育園があります。認可保育園とは都道府県知事から認可されている児童福祉施設のことです。認可保育園は自治体から補助金が出ているため、保育料の負担が軽いことが特徴です。東区には、2 か所の公立の認可保育園と 56 か所の私立の認可保育園が存在しています。

福岡市の幼児教育・保育の無償化について :  https://www.city.fukuoka.lg.jp/kodomo-mirai/hoiku/child/yojikyoikuhoikunomushoka.html 

おわりに

東区の人口増加の背景には県や市の対策 ・ 給付金制度だけでなく、アクセスのしやすさや、待機児童の少なさなど様々な要因が考えられることがわかりました。しっかりとした基盤があるからこそ、区の発展にもつながると考えられます。

私たちが生活をしていくうえで住みやすさというのは非常に重要な要素であり、大きな問題でもあります。読者の方それぞれで住みやすさとして重要視する内容は違っており、暮らしにおいて様々な考え方があると思います。ですが、今回ご紹介しました内容はどこに住むか考えるうえで多くの方が一度は目を向ける内容が含まれていたのではないでしょうか。このストーリー マップを通して、福岡市東区は住みやすく様々な魅力を持った街だということを感じて頂けましたら幸いです。