国勢調査データを使用した ArcGIS Stat Suite データ製品の紹介

国勢調査とは

国勢調査は、総務省統計局が行う、国内の人口や世帯・産業構造等に関して行われる調査です。調査は 5 年ごとに、調査項目数の異なる「大規模調査」と「簡易調査」が交互に行われます。令和 2 年の国勢調査は「大規模調査」の年です。調査の内容の一例として、5 歳階級の年齢別人口数、世帯数、職業ごとの就業者数などがあります。

ESRIジャパンでは平成 22 年の国勢調査の結果から、 ArcGIS Stat Suite のデータ製品として提供しており、国勢調査の結果データを使いやすいよう加工した状態で提供しているので、操作する前の下準備などはいらず、レイヤーファイルを ArcGIS Desktop  に追加するだけですぐに国勢調査の結果データを使用できます。

GIS で国勢調査のデータを見るメリット

エクセルなどでデータを見てみると膨大な文字データが表示され、自分が見たい地域を探すにも一苦労です。

GIS にデータを落とし込むことで可視化はもちろん、比較、解析なども効率的にできます。

他のデータと組み合わせた解析も可能で、自分の成果の共有も簡単です。

(画像は東京都周辺の人口数を 5 等級に色分けしたもので、このように地域ごとの比較も簡単にできます)

 実際に GIS で国勢調査の結果を見てみよう 

GIS で国勢調査の結果を操作して見てみましょう。今回はデモとして、令和 2 年国勢調査の人口等基本集計の統計データをもとにマップを作成してみました。

ArcGIS Story Map 用デモマップ

国勢調査の結果を使用した ArcGIS Stat Suite 製品紹介(2022 / 6 / 20 現在)

国勢調査の結果を使用している ESRIジャパン データコンテンツは大きく分けて国勢調査の結果を収録した統計データと、国勢調査、総務省統計局が行った家計調査などの統計結果をもとに推計を行った推計データに分けられます。

どのデータ製品もあらかじめ境界区分のポリゴンと統計表や推計指標を結合、接合した状態や加工したポイントデータで提供しているので、 ArcGIS ですぐに使用可能です。

国勢調査 町丁・字等 全指標

国勢調査 町丁・字等別集計 全指標( 522 指標)を収録した製品です。

平成 22 年、27 年の結果を提供しています。(画像は平成 27 年のもの)

全国版と地方別版があります。

国勢調査 メッシュ

国勢調査の指標( 342 指標 )を 2 次・ 3 次・ 4 次メッシュ別に集計した製品です。

調査ごとに設定されている区画や面積の違いにとらわれない分析が可能となっています。

平成 22 年と平成 27 年の結果を提供しています。(画像は平成 27 年のもの)

また、全国版、地方版で提供をしています。

国勢調査 基本単位区

国勢調査 基本単位区別集計全指標( 4 指標)を収録した製品(ポイントデータ)です。

基本単位区は国勢調査結果の集計上の最小の地域単位で、町丁・字等別集計に比べ、さらに詳細な分析が可能です。

平成 22 年、 27 年の結果を提供しています。(画像は平成 27 年のもの)

推計年収別世帯数

年収ランク別の世帯数を収録しており、地域によって世帯年収にどのような傾向や特徴があるかを把握、可視化することができます。

平成 27 年の国勢調査と、平成 30 年住宅・土地統計調査を元に推計しています。

推計貯蓄別世帯数

貯蓄ランク別の世帯数、総貯蓄額、 1 世帯あたりの貯蓄額を収録しており、地域によって世帯貯蓄にどのような傾向や特徴があるかを把握、可視化することができます。

平成 27 年国勢調査と、平成 30 年住宅・土地統計調査、令和 2 年家計調査 貯蓄・負債編を元に推計しています。

推計消費額

家計調査をもとに推計した約 600 以上の品目の消費額を収録しており、食料品や家事雑貨品などの地域ごとの消費傾向を可視化することができます。

平成 27 年国勢調査と、総務省統計局家計調査 令和 2 年家計収支編、統計でみる市区町村のすがた 2021 を元に推計しています。

収録指標

  • 食料、住居、光熱、家具、被服及び履物など

推計将来人口

性別・年代別の生存率・純移動率などをもとに推計した 5 年ごとの将来人口を収録しております。今後の人口の増減や市場規模がどのように変化していくかを把握、可視化することができます。

平成 27 年国勢調査と、平成 30 年 3 月推計 国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口を元に推計しています。

推計 1 歳刻み人口

1 歳刻みでの年齢別人口の推計値を収録しており、 歳刻みの年齢別人口を収録している国勢調査より細かい年齢の区切りで人口分布を把握・可視化することができます。

市区町村別に公開されている、平成 27 年国勢調査の 1 歳刻み人口を元に推計しています。

収録指標

  • 0 ~ 99 歳人口、100 歳以上人口 (町丁・字等版)
  • 0 ~ 84 歳人口、 85 歳以上人口 (メッシュ版)

推計要介護認定者数

要介護認定者数、介護サービスの総額(保険給付額、個人負担額、公費負担額の合計値)を収録しており、地域ごとに要支援者数・要介護者数、どの介護サービスを多く利用しているかを把握、可視化することができます。

平成 27 年度の国勢調査と、厚生労働省 令和元年 介護事業状況報告書 を元に推計しています。

収録指標

  • 65 歳 (75 歳) 以上 要支援 (1~2 、総数)
  • 要介護 (1~5 、総数)、要支援・要介護総数
  • 居宅介護(介護予防) サービス総額
  • 地域密着型 (介護予防) サービス総額 など

推計傷病別患者数

傷病別(86 分類)の患者数を外来・入院別に収録しており、どのような傷病の患者が多く住んでいるかを地域ごとに把握、可視化することができます。

平成 27 年 国勢調査と、平成 29 年 患者調査を元に推計しています。

収録指標

  • 外来別傷病別患者数:糖尿病、貧血、肺炎、ぜんそく、骨折、高血圧性疾患など
  • 入院別傷病別患者数:糖尿病、貧血、肺炎、ぜんそく、骨折、高血圧性疾患など

付録:国勢調査データを使用したWebアプリの紹介

国勢調査のデータを使用し、作成された Web アプリになります。こちらはリンクをクリックすれば誰でも閲覧が可能となっています。